やけどは温める!?人はなぜ間違った内容を真に受けるのか?
やってはいけないセルフケアが、なぜ本人の常識になってしまった?
このような健康関連の仕事をさせていただいてますと、患者さんからいろいろなセルフケアの質問や実際やっておられるセルフケアをお話しいただけます。先日、やけどをしたら温めるという内容を主婦の方がブログに書いて話題になりました。
自然派ママの新常識「火傷はあたためる」は結果として多くの人から非難をうけ、多くの人から取り上げれらました。ご来店いただいている、医師の先生にお聞きしてもその方法の危険性について危惧されておりました。
さて、
ちょっと、常識的に考えて違うだろうということがなぜ、本人の常識になってしまうのか考えてみました。
簡単に取り入れられそうだからもっとも多い?自然療法の闇
私たちも、整体を通じていろいろな療法と方法をお話ししたりする機会が多いです。そんな時はできる限り、自分で試してみてから患者さんにご紹介したり、裏をとったりしてご紹介するようにしています。それは業種がらボディケアを重要だと理解している方は、「薬はできるなら飲みたくない」など自然療法を好む派が多く、なおさら中途半端なことは言わないように気をつけるべきだと考えているからです。皆さん勉強されてますからね。
現代の医療については賛否両論あるとして、この主婦がどのようにしてこのようなことを常識としてとらえてしまつたかと深く掘り下げてみると、
それは、
・情報のリサーチ不足
・情報のフレームワークが小さい
この2つに尽きるのではないでしょうか。
情報発信者、受け取り側、両方の問題
1.情報のリサーチ不足
最近ではセルフケアが盛んになり、身体調整からダイエットまで幅広く方法があります。その中で、外傷にあたるやけどは、どちらかといえば医療の分野になります。自然療法推奨派の私でさえ、必ず医療的にどうなのかは調べます。それは偏った情報だけだと間違いが多いからです。
例えば、体幹(タイカン)を整えるということでいっても体幹を鍛えるのか、体幹を整えるのかによってやり方は全く異なるということと似ています。
実際は体幹を鍛える方法が多く伝えられていて、専門家から見たら整っていないのに、整っていない歪んだ状態で鍛えてしまうから、時間がたつと、腰が痛くなったり背中が痛くなる。また鍛えているときは身体が温まっているから、痛みはでない。このような繰り返しをされて、整えたつもりになっている方が多いという事は、実際身体を調整し経過を観察してきた施術者ならあたりまえに知っていることです。
それではなぜそのようにな偏った考えになるのでしょうか?それは教えている人も検証をしていないからです。
表面だけの方法は簡単に動画やビフォー、アフターの写真で伝えることはできます。
その方法を使用した相手がどのようになったか、経過観察ということがかけているのです。経過観察をするというのは、時間が掛かかります。しかし、間違ったことを連発し続けた結果、相手の身体はどうなるでしょうか?
心理学的にも合致する集団心理の危険性
2.情報のフレームワークが小さい
一つの情報というのは、いろいろなリソースから調べてみないと正しいかどうかわからないという点です。情報のフレームワークがグループや友人関係の中だけで共有していると、もし間違っていた場合、真実でない情報が真実なってしまいます。これを群衆心理のメカニズムということで、イギリス生まれの心理学者W・マクドゥーガルやアメリカの社会心理学者R・H・ターナー氏が伝えています。
群集心理の原型
イギリス生まれの心理学者W・マクドゥーガル(William McDougall)は群集心理の特徴として、(1)過度の情動、(2)衝動性、(3)暴力性、(4)移り気性、(5)一貫性の欠如、(6)優柔不断、(7)極端な行為、(8)粗野な情動と情緒の表出、(9)高度の被暗示性、(10)不注意性、(11)性急な判断、(12)単純かつ不完全な推理、(13)自我意識、自己批判、自己抑制の喪失、(14)自尊心と責任感の欠如による付和雷同性群集心理のメカニズム
群集を構成する人々のさまざまな感情や観念が、同一の方向に収束していく心理的機制にかかわる理論仮説として、アメリカの社会心理学者R・H・ターナー(Ralph Herbert Turner)は「感染説」「収斂(しゅうれん)説」「創発規範説」をあげている。感染説によれば、ある種の感情、観念、行動様式が暗示や模倣を媒介に人々に感染し、無批判的に受容されてゆく結果、群集心理の雪崩(なだれ)現象を引き起こすというのである。収斂説では、もともと類似した興味、関心、志向を共有する人々が共通の刺激状況のもとで、その潜在的先有傾向を一斉に顕在化するために、心的同質性が生ずると説明する。したがって、群集心理の同質性は、群集行動の結果ではなく、その原因あるいは先行条件だということになる。創発規範説は、感染説、収斂説のいずれにも批判的であって、群集という集合現象の場において形成される固有の社会規範の成立とともに、その規範に適合する行動を容認、促進し、不適合な行動を抑制、禁止する社会的圧力が働くために、群集行動が全体として均質化すると主張する。群集心理あるいは群集行動に関するこれらの理論仮説は、相互排他的であるよりも、相互補完的な説明原理であると理解すべきであろう。出典:ウィキペディア
整体という分野で技術は常に研究していますので、いろいろと理解しているのですが、勉強会などは学ぶ時間なので、当たり前ですが教える人から習うというスタンスです。また勉強会だと時間が限られていて、その方法を知らない関係者ではない人に、その方法を使用して検証する機会がないです。
それにくわえ、現場自体がそれをわざわざ時間をかけて学びに来たという雰囲気です。
「この方法はこうなるはずだ」という前提で習っていますので、結果的に講師の教えるような結論に必ず着地するように話しが進んでしまうという流れがあるんです。なので検証するために、勉強会から帰ってきて実際に関係者でない人にやってみるということが大切なのです。
実際やってみて検証し意見を聞くことによって情報のフレームワーク質が高く広くなります。
これは、情報の発信側(教える側)の問題ではなく情報の受け取り側(学ぶ側)にも問題があります。自然療法が中心にバランスが偏ってしまう人の特徴として、以前に医療で見放されてしまったとか、お医者さんがどうも信じられないとか、とても気持ちが優しい人で出来るだけ自然療法で自分の子供を育てたいというお母さんなのかもしれません。
整体・ボディケアの業界でよくあるのが、痛いのが身体にとっていいと教え込まれて、棒でグリグリ押すやり方があるんですね。患者さんが「痛い!」と言っても「痛くないと効果ないから!」なんて言って本気で押し続ける。これはもう、信じれば治るというレベルまでいってますよね・・・。
これは、情報の受け取り側にも問題があるという、極端な療法の話として引き合いにだしましたが―
受け取り側が冷静になって判断してみるということが、かけているのです。
情報の受け取り側である私達がこれからできること
これは、受け取り側である私達も本当に気を付けるべきだと肝に銘じています。
・その先生が本を書いているから。
・有名だから。
・流行っているから。
だだそれだけの理由だけでは、情報内容は30パーセントです。自分がまず忠実にその方法をやってみて検証ししてからでないと導入しません。これって当たり前のことだと思うのですが、皆さんはどうでしょうか?
まずは、情報を精査して忠実にやってみる、そして結果に対して検証をする、それでうまくいかなかったら、またやり方を変えてみる。この繰り返しをだと今回の記事を読んで再確認しました。
この記事を書いた人
-
アドバンスドボディ代表
・一般社団法人心身健康研究所代表理事
・トータルバランスアプローチ創案者
・世界健康長寿学会正会員
・NPOユニバーサルスポーツ
イベントコーディネーター
(障害者を含むスポーツイベント企画)
この作者の最新記事
blog2024年1月2日明けましておめでとうございます。 blog2023年10月6日体のヘルプサインはこのようなところに現れます blog2023年7月30日骨格調整料金変更のお知らせ blog2021年12月29日2021年末 近況におもう